歯周病専門医ブログ⑨歯周病の治療ってどんな治療?❸
こんにちは。府中エンライトデンタルクリニックの後藤弘明です。
歯周病治療の3つのステップ
①炎症の抑制
②環境の改善
③メインテナンス
その中で今回は③メインテナンスについて説明します。
近年では歯科医院に予防的に通院される方も多くなってきました。3ヶ月に1回ほどのペースでお口のクリーニングをしてもらっていると良く聞きます。
しかし、クリーニングとメインテナンスは厳密には違います。クリーニングはお口の中の掃除をしてもらうことですが、メインテナンスはお口の健康状態をあなたのリスクに応じて維持管理することを言います。
具体的にメインテナンスは以下の4つに分類されます。
- 予防的メインテナンス
- 治療後メインテナンス
- 試行的メインテナンス
- 妥協的メインテナンス
それぞれを簡単に説明します。
予防的メインテナンス
まだほとんど歯周病にかかっていおらず、歯茎が腫れることもありますがプラークコントロールによって改善する。セルフコントロールの強化と歯科医院でのクリーニングをしていく。
治療後メインテナンス
歯周病にかかっていて骨の吸収も起こしていて、それに対して歯周治療を行った患者さんに対するメインテナンス。治療でどこまで改善できたか、どれだけ問題が残っているかによってメインテナンスの内容は変わってきます。
試行的メインテナンス
歯周病の既往はあるが患者さんの諸条件によって望ましい治療が行われなっかたり、より侵襲の少ない次善の治療でメインテナンスに移行している場合です。明らかな問題を抱えているので、そこがトラブルになった際にとる治療を用意しておきます。
妥協的メインテナンス
様々な理由で積極的な治療が行われずメインテナンスに移行している状態です。一番多くの問題を抱えておりリスクの高い状態です。
自分の歯周病の状態を理解してどのゴールを目指すのかを歯科医師や歯科衛生士とよく相談していく必要があります。よくわからず闇雲に定期的な通院をしているだけだと、患者さんは予防的メインテナンスをしているつもりが実は妥協的メインテナンスになっていたなんてこともあり得ます。自分のお口の健康状態をよく知っていただくのが第一歩です。
以上が歯周病の治療の流れになります。
①炎症の抑制、②環境の改善、でどこまできちんと治せるかで③メインテナンスの難易度が変わります。長い人生のことを考えると治せるうちにしっかり治しておくことをお勧めします。
以上です。