歯周病専門医ブログ⑦歯周病の治療ってどんな治療?❶
こんにちは。歯周病専門医資格を持って診療しています、府中エンライトデンタルクリニックの後藤弘明です。
患者様から
「歯周病の怖さはなんとなくわかったが、実際どうすれば良いのか?」
と質問を受けます。
病気であることがわかったら、治療法が知りたくなるのは当然ですね。
今回は歯周病の治療法について説明したいと思います。
歯周病は歯周病原菌による感染症です。その細菌をできるだけ少なくすることが治療の基本になります。
なので一言で言えば歯周病の治療とは
プラークコントロールです!(プラーク=細菌の塊)
その歯周病の治療は下記の3つのステップで行います。
①炎症の抑制
②環境の改善
③メインテナンス
今回はこの①炎症の抑制について詳しくお話しします。
①炎症の抑制 では歯周病で起こっている歯茎の炎症を抑制するためにプラークコントロールを行います。具体的に行うことを説明します。
-
ブラッシング指導
徹底的に歯磨きをできるようになってもらいます。
歯磨きは毎日やってますという方がほとんどだとは思いますが、本当にうまく磨けている人はほとんどいません。お母さんに教わった歯磨きではダメなんです。そのお母さんもうまくできているかわかりません。専門家に教わる歯磨きは一味違います。
重症度の高い歯周病の方であればあるほど悪性度の高い細菌に感染しているため、より厳密な歯磨きが必要になります。
-
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
歯周病にかかっている方には歯茎と歯の隙間が深くなった歯周ポケットがあります。その中はまさに歯周病を悪化させる細菌の培養器と化しています!繁殖した細菌は匂いを出し口臭がしますし、歯を支える骨を溶かし歯がぐらついて抜け落ちるまで進行を止めません。その歯周ポケットの中のプラークコントロールは我々医療従事者が行います。それがSRPといって歯周ポケットの中の歯根にこびりついた歯石やプラークを物理的に除去する治療です。歯茎と歯の隙間に細い器具を入れて中をきれいにしていくのです。
-
その他
咬合調整:噛み合わせが悪いん部分を調整します
仮歯:歯磨きをしにくくしている適合の悪い詰め物・被せ物の除去し適合の良い仮歯に変えます。
抜歯:改善不可能で周りの歯に悪影響を及ぼす歯は残念ながら抜歯をしたほうが良いことがあります。
治療のステップの中で1番重要なのが今回説明した①炎症の抑制です!
①なくしてそのあとの②③はありません。どれだけここをしっかりとできるかがその後の治療の成果を決めるといっても過言ではありません。本当に大切な部分です!
ただただ定期検診で③メインテナンスを受けているだけでは病気はずるずる悪化してしまうこともあるので。
ここで大切なのが、患者さん自身も歯磨きを通して治療に参加しなくてはならないということです。ただ受け身に治療を受けるだけでは治らないのが歯周病の厄介なところですが、病気を理解してしっかり取り組めば必ず改善するのも特徴です。
今回は以上になります。
次回は②の環境の改善について説明しようと思いまます。