歯周病専門医ブログ④歯周病と虫歯、なる人ならない人
こんにちは、歯周病専門医資格を持って診療にあたっています、府中エンライトデンタルクリニックの後藤弘明です。
『私は昔から歯が弱いから』
と諦めムードの方が時々いらっしゃいます。
確かに、あまり歯を磨いていなくても歯周病や虫歯にならない人もいれば、頑張っているのに何で歯周病や虫歯になってしまうのかと感じている人もいるでしょう。これは歯周病や虫歯という病気の成り立ちに理由があります。
歯周病や虫歯の主な原因は何でしょうか?
以前も話に出ましたが、歯周病は細菌感染症です。虫歯もそうです。
病原性プラークバイオフィルム(口の中の細菌の塊!歯についくベタベタ・ヌルヌル!これが歯磨きで落とすべきヤツです)が共通する危険因子 になります。ですがそれだけの原因で病気になるわけではありません。
歯周病・虫歯は多因子性の複雑な疾患です!(難しい言葉ですが、複数の原因が積み重なって初めて病気になるということです。)
例えるなら(出ました例え話!)
コップに水が入っていて、この水が溢れた時が病気が発症する時とします。
水が入っているだけでは普通溢れたりはしません。しかし、そこに一枚コインを入れたらどうでしょう?まだ平気かもしれません。ではもう一枚、まだ大丈夫。では今度は一気にもう3枚!ああ、溢れそう!!表面張力でなんとか堪えています!次のもう一枚が入った時水は確実に溢れるでしょう。
でもコップに元々水が入っていなければ、どんなにコインを入れても溢れません。だって水入っていないですから。
つまり、病原性プラークバイオフィルム(細菌)という『水』がなければまず病気にはなりようがありません。ですが、それがあるだけでも病気にはなりません。今回は細かいことは割愛しますが、そこに遺伝的(先天的)因子や食事栄養的因子、後天的因子という『コイン』が積み重なって初めて病気になります。
『私は昔から歯が弱いから』
と思っている方は安心して下さい。歯が弱いだけでは病気にはならないということです。そして、例え遺伝的に歯が弱くても他の原因を減らしてコントロールできれば大丈夫ということです!
歯周病も虫歯も正しい知識と対処法を知っていれば、しっかり予防できる病気なので早めの対処をお勧めします。
また、既に病気になってしまっていてもしっかりと治療すれば健康を取り戻せます。早期発見早期治療が大切です。
今回は歯周病・虫歯の病因論から歯周病や虫歯になる人ならない人について説明しました。