〜プラークコントロール〜
こんにちは!歯科衛生士の大木です。
今回はプラークコントロールについて説明します。
お口の中の代表的な病気であるむし歯と歯周病。この2つの病気の原因はプラーク(歯垢)と呼ばれる歯の表面に付着する細菌の集まりです。
まず、プラークについて説明します。
プラークとは、歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。
プラーク1mgの中には約1億匹のたくさんの種類の細菌が棲んでいると言われています。
また、プラークはバイオフィルムとも呼ばれていて、強固に歯に付着しているだけでなく、薬品だけでは除去しにくい状態になっています。そのためにしっかりと歯ブラシ等で除去することが大切になります。
本題のプラークコントロールについて説明します。
プラークコントロールとは、プラーク(歯垢)を取り除きつつ、歯への付着も最大限防ぎ、口腔内環境を正常に保つことを意味します。
プラークコントロールの達成度は、歯垢染色液を用いることで評価できます。プラークが残存している部位だけを赤く染める液体です。
その際、赤く染め出された面積を計算して、『プラークコントロールレコード』を算出します。プラークスコアが20%以下であれば、上手にプラークコントロールされていることを意味します。
なので、プラークスコア20%以下を目指して頑張りましょう。
プラークコントロールが達成されていると、口内の細菌数も大きく減少します。その結果、むし歯や歯周病にかかるリスクも大幅に減少します。
さらに、歯石の形成が抑制されます。
歯石は、大元となるプラークがなければ形成されません。プラークフリーな状態が保たれれば、歯石の形成が抑制されます。
また、プラークや歯石が減少することで、口臭の発生を抑制することにも繋がります。
そして、歯磨きがしやすくなります。
歯の表面がツルツルになっていると、それだけでブラッシング効率も上がります。プラークが形成されている部位も判別しやすいことから、磨き残しも少なくなります。
このように、プラークコントロールというのは、単なる歯磨きではなく、細菌の温床となるプラークを除去し、その状態を維持することを意味します。
その結果、お口全体の健康の維持・増進へと繋がっていくのです。
その意義や目的がわかれば、プラークコントロールの重要性もすんなり理解できることかと思います。